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【2025年】オフショア開発の単価相場|ベトナム・インド・中国・ミャンマー比較と発注の注意点

2026/1/14

Takumi Watanabe

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オフショア開発の費用は「人月単価」で大きく変わります。国や職種によって相場に差があり、為替や人材需給の変化によっても毎年のように動きます。近年は円安やIT人材不足の影響も重なり、以前の常識が通用しなくなりつつあります。

本記事では、2025年時点の主要4カ国(ベトナム・インド・中国・ミャンマー)の単価相場を整理し、相場が変動する背景や見積もり時に注意すべきポイントを解説します。


目次


オフショア開発単価の基本知識

人月単価とは?

人月単価とは、1人が1カ月(標準稼働時間ベース)働く前提で算出される金額を指します。国ごとに標準稼働時間が異なるため、基準も各国の労働慣習に準じます。


主な要素は以下の通りです。


  • 直接人件費

    基本給与、年次賞与の月割、社会保険や福利厚生

  • 間接費(会社運営費)

    オフィスや設備、共通ツール利用、管理部門コスト、採用・育成費の按分

  • 人の管理費用

    ラインマネジメントやチームリードの工数(多くは単価に含まれるが、別計上される場合は見積に明記される)

  • マージン

    受注企業の利益(ラボ契約か受託契約か、案件規模やリスクに応じて変動する)


単価が国ごとに異なる理由

単価は各国の労働市場や環境要因によって異なります。主な要因は以下の通りです。


  • 賃金水準とスキル分布

    先端領域人材の供給量により価格が上下する

  • 都市プレミアム

    首都圏や一線都市は需要集中により単価が高止まりする

  • 離職率・採用難易度

    人材の安定供給にコストがかかる場合、価格に反映される

  • 言語対応

    日本語や英語に対応できる人材は希少性が高く、単価が上昇する

  • 規制・セキュリティ要件

    専用端末や監査対応など追加コストが発生する


発注形態による違い

契約形態によっても単価水準は変わります。


  • ラボ型(準委任契約)

    月額固定で人員を確保する方式。単価は比較的低めで、スコープ変更にも柔軟に対応できる。ただし、発注側には運営力が求められる。

  • 受託型(請負契約)

    成果物責任を請け負う方式。要件の不確実性を見込んだバッファや品質保証費が上乗せされ、ラボ型と比べて10〜20%高止まりするケースが多い。

国別オフショア開発単価の比較(2025年版)

国別・役割別単価まとめ

以下は2025年時点の主要4カ国における役割別の平均単価です。単位は日本円換算の「万円/人月」とし、契約形態はラボ型を基準としています。受託契約の場合は10〜20%程度の上振れが一般的です。


経験年数の目安

  • ジュニアエンジニア:1〜5年

  • ミドルエンジニア:5〜10年

  • シニアエンジニア:10年以上(スキル幅が大きいため「最低額以上」で表記)


国

ジュニアエンジニア 平均

ミドルエンジニア 平均

シニアエンジニア 最低

BrSE 平均

PM 平均

ベトナム

39.4万円

48.3万円

80万円以上

59.0万円

70.0万円

中国

44.4万円

58.3万円

135万円以上

65.0万円

75.3万円

ミャンマー

26.9万円

41.9万円

65万円万円

55.6万円

66.9万円

インド

53.3万円

61.7万円

110万円以上

69.2万円

77.5万円


ベトナム ―コストと安定感のバランス

ベトナムの平均単価は、ジュニアエンジニア39.4万円、ミドル48.3万円、シニア80万円以上、BrSE59.0万円、PM70.0万円です。コストパフォーマンスに優れ、安定した開発体制を構築しやすい点が特徴で、Webやモバイルの継続開発やQA・保守運用に適しています。


■発注時の留意点

ブリッジ人材の日本語力と実務経験を確認し、会議体やレビュー頻度、受け入れ基準を発注側主導で明確にしておくことが望ましいです。


インド ― 高度な人材と幅広いスキル、上昇傾向の単価

インドの平均単価は、ジュニア53.3万円、ミドル61.7万円、シニア110万円以上、BrSE69.2万円、PM77.5万円です。高度な技術力を持つ人材が豊富で、クラウド、データ、AI分野やスケールを意識したSaaS開発に適しています。


■発注時の留意点

自律性が高い人材が多い点を踏まえ、仕様の優先度と意思決定の窓口を発注側で握れる担当者(英語可・技術理解あり)を選任することが望ましいです。論点整理と結論の明文化を徹底し、レビューは根拠ベースで運営するとスムーズです。


中国 ― 技術力と安定性、だが費用は高水準

中国の平均単価は、ジュニア44.4万円、ミドル58.3万円、シニア135万円以上、BrSE65.0万円、PM75.3万円です。技術力や開発体制の安定性が強みで、組込みや端末連携、R&D寄りの試作案件に適しています。


■発注時の留意点

越境データの取り扱いやリポジトリ・CI運用、VPNや監査対応といった開発環境の制約を事前に協議しておくことが望ましいです。


ミャンマー ― 低コストだが供給量に課題

ミャンマーの平均単価は、ジュニア26.9万円、ミドル41.9万円、シニア65万円以上、BrSE55.6万円、PM66.9万円です。単価は安価で、限定スコープの機能追加や運用保守に適しています。


■発注時の留意点

人材供給量に課題がある点を踏まえ、要件の具体化や受け入れ基準を発注側で主導することが望ましいです。レビューや仕様補完を担う国内リードやBrSEを厚めに配置し、加えてインターネット環境の安定性も事前に確認しておくと安心です。

単価変動の要因と最新トレンド

円安・為替レートの影響

日本円で契約する場合、為替変動リスクはオフショア側が負うことになりますが、時間の経過とともに単価に転嫁されるケースが多いです。外貨で契約する場合は、見積通貨と支払い通貨の組み合わせ次第でリスクの所在が変わります。一般的には四半期ごとの見直しや基準レートの合意を行うのが通例です。


現地IT市場の需給バランス

採用環境や物価・賃金の上昇、離職率は単価に直結します。特に大口案件が短期間に流入すると、相場が一時的に跳ね上がることもあります。


リモートワーク拡大と競争環境の変化

リモートワークの普及によって、先端人材が地理に縛られずグローバル案件へ参画するようになりました。一方で、専用端末や監査対応といったセキュリティ要件が増え、追加コストの要因となるケースもあります。


生成AIの単価への影響

現時点では生成AIの普及によって単価そのものが大きく変動しているわけではありません。ただし、生成AIを積極的に取り入れている企業とそうでない企業の間でパフォーマンスに差が出始めており、発注側がその適応度を見極める必要があります。

費用を抑えるための発注戦略

見積もりで確認すべき項目

見積もり単価は、本記事の平均相場と照らして妥当性を確認します。大きく乖離している場合は理由を必ずチェックしましょう。


コミュニケーション戦略もコストに直結します。発注側で英語話者をPMとしてアサインできる場合、オフショア側のブリッジ人材は不要です。また、日本語環境が必要な場合でもBrSEは高額かつ日本語力が限定的な人材が多く、日本語コミュニケーターを配置する方がコストに対して満足度が高い可能性もあるため両パターンの検討を推奨しています。


各エンジニアのスキルと価格のバランスも要確認です。価格と能力は比例することが多く、安さだけで選ぶとリカバリーで余計なコストがかかるリスクがあります。


ラボ型契約の活用メリット

ラボ型契約は、受託契約に比べて不確実性や保証コストの上乗せが少なく、同一スコープなら割安になりやすい契約形態です。


同じメンバーが継続参画することで、ドメイン知識やコードの理解が蓄積し、生産性や品質も安定します。さらに、ジュニアエンジニアを長期的に育成できれば、将来的に費用を抑える効果も見込めます。


長期契約・複数人アサインによる単価交渉

長期契約や複数人のアサインでは、ボリュームディスカウントが適用される場合があります。オフショア開発会社にとって稼働率の低下は大きなリスク要因のため、安定した契約は歓迎される傾向にあります。そのため、長期契約を提示することで単価交渉を有利に進めやすくなります。



発注時の注意点とチェックリスト

見積もりの妥当性を見極めるポイント

請負契約では、WBSや工数根拠の明示に加え、リスクや前提条件、バッファの記載をチェックします。ラボ型契約では、参画予定メンバーのスキル履歴と役割が整合しているかを確認してください。


隠れコスト(教育・管理)の発生

オンボーディング、通訳や会議運営、検証環境の整備は見積もりに含まれにくい項目です。セキュリティ要件への対応や交代時の再教育といった追加コストが発生する場合もあるため、あらかじめ把握しておきましょう。


契約形態ごとのリスクと回避策

請負契約では、要件やスコープを明確に定義し、契約書に反映させることが基本です。ラボ型契約では、コミュニケーション戦略とエンジニアのスキルが単価に見合っているかを入念に確認します。アサイン予定のエンジニアやブリッジ人材と事前に会話し、相性や理解度を確かめることも効果的です。


生成AIを用いた失敗リスクの壁打ち

生成AIで体制をシミュレーションし、失敗リスクを事前に洗い出すことができます。そのうえで商談に臨み、オフショア開発会社に質問した際に納得できる回答が返ってくるかを確認すると、判断の精度を上げられます。

まとめ

オフショア開発の単価は国や職種、案件内容や契約形態によって変動します。まずは平均単価表を基準に相場を把握し、乖離している場合は理由を確認します。高い場合は、どんな付加価値が含まれているかを見極めましょう。


単価には人件費、会社運営費、管理工数、マージンが含まれますが、個別ライセンスや特別なオンボーディング、送金・為替調整、税などは別計上となるのが一般的です。見積書でその線引きを確認してください。


発注前にチェックリストで前提を固め、複数の見積もりを比較できる状態にしておけば、コストと品質のぶれを抑えられます。

Border Zでは、日本企業の課題に即したオフショア開発サービスを提供しています。企画段階から伴走し、成果の出るチームづくりと継続的な開発体制の確立をサポートします。

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著者プロフィール

Takumi Watanabe

COO at Border Z

NHNやDeNAで、ソーシャルゲームの企画・運用・マーケティングに加え、東南アジアを含む多言語・多文化チームのマネジメントを担当。Amazonリテイル部門では、世界水準のオペレーションと品質管理を現場で体得。2018年からフリーランスとして活動し、フロントエンドエンジニアに転身。2020年に株式会社Border Zを設立し、日本企業と海外開発拠点をつなぐプロジェクトを数多く支援。趣味は旅行。

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