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オフショア開発でデータ連携開発速度を16倍に拡大し、新市場を開拓した事例

株式会社primeNumber

【商談機会を創出】

オフショア開発でデータ連携開発速度を16倍に拡大し、新市場を開拓した事例

業種:

SaaS

データ連携ツール

目的:

売上拡大

顧客獲得

開発リソース強化

コネクタ・API開発

アジャイル開発

プロジェクト概要

株式会社primeNumber(プライムナンバー)は2025年度、同社の提供するサービス「TROCCO」においてデータ連携先を従来より100以上拡充する「CONNECT 100+」という大きなプロジェクトを進めています。Border Zと共同でプロジェクトを進めた結果、現在、Border Zのみで月間8本のデータ連携数を実現できており、今年度の目標達成に大きな力となりました。

課題

1. CONNECT 100+プロジェクトの開発リソース不足

primeNumber社が「TROCCO」のデータ連携先を従来より100以上に拡充する「CONNECT 100+」というプロジェクトを始めるにあたり、エンジニアリングリソースの強化が必要でしたが、人員増加は採用コストや教育期間を考えると現実的ではなく、新たな信頼できる開発パートナーを探す必要がありました。そんな中、Border Zが支援する事となりました。

2. オフショア含めた体制経験がprimeNumber社には少なかったことでの不安

primeNumber社 CTO 鈴木健太様

primeNumber社にはオフショアを活用した体制での開発経験やノウハウが少なかったため、不安はあったと言います。CTOの鈴木健太様はこう振り返ります。
「正直、オフショア開発に不安を抱えていました。でも、国内だけでは必要な開発リソースを確保することは現実的ではない。何か新しいアプローチが必要でした。」

3. 高い目標に向けた改善体制へ

こうした状況に対応すべく、Border Zとしては、最初から全てが整った状態でスタートするのではなく、スピード重視しつつ品質を落とさないために走りながら出てくる課題をクイックに解決していく必要がありました。また、言われたことをそのまま実装するのではなく、CONNECT 100+を実現するワンチームとして主体的に問題提起、提案、解決する改善のサイクルを回せる体制が求められました。
加えて、エンジニアには実装だけではなく問題発見や問題解決のスキルが求められると共に、日々変化していく状況にカスタマーサクセスなど会社全体として対応する必要がありました。

Border Zとの取り組み

  • 今回のプロジェクトでは4つのポイントに注力して取り組みました。
    1. 技術理解やプロジェクト理解のあるコミュニケーター
    2. シニア人材による開発改善体制
    3. 高速開発を実現した3つの仕組み
    4. プロジェクトの進捗に合わせた体制強化とオンボーディングコストの低さ
  • 1. 技術理解とプロジェクト理解のあるコミュニケーター

    オフショア開発では、「通訳が技術的な内容を正確に伝えられない」「開発状況がブラックボックス化する」といったコミュニケーション課題が頻繁に発生します。Border Zは、この問題を根本から解決するアプローチを取りました。

    プロジェクトの中心となるコミュニケーター配置

    Border Zの特長は、技術とプロジェクトの両方を深く理解したコミュニケーターが、すべてのやり取りのハブとなる体制です。

    単なる言語の通訳ではなく、以下の能力を持つ人材を選定しました。
    ・IT業界での実務経験(技術的な議論を理解し、適切に翻訳)
    ・プロジェクト全体の文脈を把握し、背景を含めて伝達

    採用時は日本人経営陣が最終面接を実施し、これらの基準をクリアした人材のみをアサインします。このコミュニケーターが、primeNumber社とベトナム開発チームの間に立ち、技術的な要望も、ビジネス上の優先順位も、正確に双方向で伝達する役割を果たしました。

    デイリースタンドアップによる透明性確保

    毎日の30分間の日本語スタンドアップミーティングを実施。開発プロセスを8つのステップに標準化し、各データ連携タスクの進捗を具体的に報告しました。

    1. 要件分析・調整
    2.コネクター開発
    3.テストデータ作成
    4.期待結果データ準備
    5.UIテスト
    6.データ検証テスト
    7.プルリクエストレビュー
    8.デプロイ

    コミュニケーターが技術内容を理解しているからこそ、「ステップ3で想定外の仕様を発見したため、要件の再確認が必要」といった具体的な報告が可能になり、primeNumber社側も的確な判断ができるようになりました。

    primeNumber社EM  山口寛様

    primeNumber社エンジニアリングマネージャー山口 寛様は、次のように語ります。
    「Border Zのコミュニケーターは日本語は流暢で技術的理解もあり、必要十分なコミュニケーションが取れています。毎朝日本語でコミュニケーションしながら進捗が数字で見える点も非常に良いと感じています。」

    2. シニア人材による開発改善体制

    Border Zは、10年以上の経験を持つシニアエンジニアとシニアQA(品質管理者)を中心とした7名体制で、月間8本という高速なデータ連携の開発を実現しました。この体制の特徴は、開発と品質管理が一体となって継続的な改善を推進した点にあります。

    3.高速開発を実現した3つの仕組み

    1. 自律的に学習・改善する開発文化

    Border Zチームは、primeNumber社の過去のプルリクエストから実装パターンや設計思想を自ら学び取り、詳細な指示なしに期待通りの実装を実現。さらに、各エンジニアに特定のデータ連携先を担当させることで、「自分の担当データ連携先」という強いオーナーシップを醸成しました。
    この自走型のアプローチにより、primeNumber社側のマネジメント負荷を最小限に抑えながら、高品質な開発を継続できました。

    2. 品質を担保する仕組みの構築

    シニアQAは、大量のデータ連携を並行開発する中でも品質を保つため、戦略的な品質管理体制を構築しました。

    戦略的なテスト設計

    ETL UIの重要箇所に注力
    認証タイプ別にテストをグループ化

    進捗の完全可視化

    8ステップの開発プロセスをGoogle Sheetsで管理
    納期遵守率100%を実現

    明確なエラー処理

    問題発生時の迅速な原因特定を可能に

    これらの品質管理を効率的に実現するため、テストデータ作成においても以下の効率化を図りました。

    Apidog

    大量のテストデータを効率的に生成

    curlコマンド

    スクリプトによる自動データ作成

    標準化データセット

    仮メールアドレスなど
    再利用可能なテストデータ

    3. 生産性を飛躍的に向上させた自動化

    月間8本の開発ペースは、手作業では到底不可能でした。今回生産性に大きく貢献したのは、primeNumber社が開発したLite Connector開発基盤です。この開発基盤によって、開発に必要なコードの半分以上が自動生成されます。その上でも残ってしまう繰り返し業務に関して、Border Zのベトナムチームが主体的に開発やテストを自動化するツール群を開発しました。また、Lite Connector開発基盤の拡張や改善などは両者で連携しつつ進めています。

    これらの自動化により、エンジニアはより複雑な課題解決に集中でき、結果として品質と生産性の両立を実現しました。

    primeNumber社EM  山口寛様

    primeNumber社エンジニアリングマネージャー山口 寛様は言います
    「Border Z社のエンジニアは技術力が高く、手取り足取り指示しなくても過去のプルリクエストから文脈を読み取って自走してくれるので本当に助かりました。特に印象的だったのはアウトプットの品質の高さです。QAチームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげだと感じています」

    このように、シニア人材を中心とした開発・品質管理の一体的な改善により、少人数でも高い生産性と品質を実現し、年間100本超のデータ連携の実現という目標達成への道筋をつけました。

    4. プロジェクトの進捗に合わせた体制強化とオンボーディングコストの低さ

    Border Zの大きな強みは、primeNumber社のプロジェクト進捗に合わせて柔軟に開発体制を拡張できる点と、開発チームの立ち上げを効率的に行える仕組みにありました。

    段階的な体制強化で無駄のないスケールアップ

    プロジェクト開始時は3名体制でスタートし、データ連携の需要増加に応じて7名まで段階的に増員。この柔軟な人員調整により、以下を実現しました。

    ・初期投資の最小化 - 最小限の体制でスタートし、成果を確認しながら拡大
    ・需要に応じた増員 - プロジェクト進捗による開発項目の増加に合わせて開発リソースを追加
    ・品質を保った拡張 - 既存メンバーが新規メンバーをサポートする体制

    オンボーディングコストの低さ

    一般的なオフショア開発ではチームのオンボーディングに数ヶ月かかることも珍しくありません。原因は様々ですが、突き詰めると、顧客の状況・考え方が真に理解できてない点につきると考えています。
    Border Zでは、基本的には、上述の仕組みによりシニアメンバーを中心とする改善サイクルを回すことで対応していますが、これに加えて、日本のIT企業で長年経験してきた日本人カスタマーサクセスによるオンボーディング支援を実施しています。
    技術力やプロセスが優れていても、文化の違いによるミスコミュニケーションで仕事が停滞することがよくあります。今回primeNumber社とのプロジェクトでは、日本のテクノロジー企業でのエンジニア経験、マネジメント経験を持つBorder Z CEOの石岡淳が、文化の橋渡し含めたオンボーディング支援を担当しました。

    BorderZ CEO 石岡

    Border Z CEOの石岡は語ります。
    「ベトナムのメンバーは非常に真面目で、問題を自分たちで解決しようとする傾向があります。一方、日本側は『困ったらすぐに相談してほしい』と考えている。この認識のギャップを埋めることが私の役割でした。」

    日本人カスタマーサクセスの取り組み
    ・デイリースタンドアップやSprint Recapに参加し、ベトナム・日本間のコミュニケーション方法や考え方について調整
    ・形式張ったコミュニケーションの改善・率直なコミュニケーションの促進
    ・日本側・ベトナム側で率直に話し合える関係性の構築

    これらの取り組みにより、開発チームのオンボーディングコストを大きく下げることができました。

    プロジェクト成果

    1.プロジェクト開始以降、SaaSを中心とした新規データ連携先を約50開発

    primeNumber社EM  山口寛様

    協業の本格開始から半年強、年間100本という目標が、現実のものとなりつつあります。
    山口様のコメント
    「プロジェクト開始以降、全体として50弱のコネクタを開発できました。昨年度はデータ連携開発が年間3本だった点を考慮すると、すでに昨年比で、16倍の速度です。さらにチームの習熟度が上がるにつれて開発速度は加速しており、年間100本という目標達成への確かな手応えを感じています。Border Z社には開発速度という面で大きく貢献していただけました」

    2.ベトナムオフショアを活用し費用対効果の高いチーム拡張に成功(1名→7名体制へ)

    primeNumber社 CTO 鈴木健太様

    特に注目すべき成果は、オフショア開発体制を拡大できたことです。単に人数を増やしただけでなく、新規メンバーも既存メンバー同様の高い生産性を維持し、当初の目的であった「コスト効率の良い開発体制の拡張」を実現しました。また、primeNumber社のエンジニアがコア業務に集中できるようになったという副次的な効果もあります。
    取締役執行役員CTO 鈴木 健太 様はこう振り返ります。
    「多様な新機能や機能強化が求められている中で、オフショアと連携しコネクタの拡充ができたことで、primeNumberのエンジニア達はよりコアな新機能開発やアーキテクチャへの取り組みなどより高い価値構築へと時間を使えるようになりました。挑戦を続けていくために、改善や保守業務などは引き続き連携していく予定です。」

    3.新規商談・顧客獲得の増加

    データ連携の拡充により、これまでアプローチできなかった潜在顧客との商談が可能になりました。特に、日本市場で高いシェアを持つ大手のSaaSとのデータ連携実現により、これまでアプローチできなかった企業との商談機会が増えました。加えて、某グローバルSaaSとのデータ連携によりインド市場という新たな成長領域も開拓できました。

    primeNumber社 PMM 鳩 洋子 様

    「データ連携数の拡大は、私たちのビジネスに大きな変化をもたらしました。以前は”該当のサービスとは連携できていません”と商談を断念せざるを得ないケースも多かったのですが、今では”すでに連携済みです” ”来月には連携予定です”と自信を持って提案できるケースが増えました。

    成果も数字に表れています。例えば、とあるサービスとの連携を必須要件としていた某大手企業との契約も決まり、年間数百万円規模の案件を獲得できました。また、商談においても未連携のサービスが要望に上がった場合に、即失注とはならず開発検討に上げられるようになったことは我々のビジネス上の大きなアドバンテージとなっています。」

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